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青汁と化学成分「硝酸態窒素」

野菜の肥料の成分で窒素、リン、カリウムは三大栄養素といわれています。これらの成分は野菜を育てる上でとても重要な化学肥料に含まれています。この中の窒素は土の中で硝酸態窒素として存在し植物に吸収されます。青汁の原料の野菜にも含まれる硝酸態窒素は、私達にどのような影響を与えるのでしょうか。

硝酸態窒素とメトヘモグロビン血症の関係

ブルーベビー症候群という病気を耳にしたことがありますか? ブルーベビー症候群はメトヘモグロビン血症という病気で、血液中にヘモグロビンの一種のメトヘモグロビンが多くなりチアノーゼを起こす病気です。新生児や乳児が原因もなくチアノーゼを起こすのは、 食べ物や井戸水に含まれている硝酸態窒素が、胃酸の弱い乳児の体内で亜硝酸塩を生成する可能性が高いからと考えられています。亜硝酸塩は血液中のヘモグロビンと結合するため、酸素濃度が低下します。

1956年アメリカで、高濃度の硝酸態窒素を含む井戸水を使用した粉ミルクを飲んだ乳児が死亡した事例があります。原因は家畜の糞尿によって汚染された地下水に由来する井戸水であると結論づけられました。

硝酸態窒素を含んだ肥料が使用され汚染された地下水を飲んだり、大量に硝酸態窒素が残留した葉物野菜を摂取した場合、メトヘモグロビン血症を起こす可能性があります。ただしこれは胃酸の弱い生後3ヶ月未満の乳児に対する可能性であり、それより月齢が上の乳児には胃の中で亜硝酸が発生する可能性は低いとされています。以上のことから大人が青汁を飲む場合、原料野菜に含まれる硝酸態窒素について、さほど心配する必要はないといえます。

葉物野菜に多く含まれる傾向がある硝酸塩

野菜の生産には窒素成分が必要であり、肥料として使用されます。そのため土壌には窒素が多く含まれています。植物は根から窒素を硝酸塩などの形で吸収し、アミノ酸やたんぱく質を作ります。しかし植物が吸収する硝酸塩が多すぎると、アミノ酸などに合成されずに植物内に蓄積されます。これは青汁の原料に使用される濃い緑色の葉物野菜に顕著で、他の野菜に比べて硝酸態窒素濃度が高い傾向にあります。

硝酸塩と発ガン性の関係

青汁の原料になる葉物野菜に多く含まれる硝酸塩ですが、人の体内で亜硝酸塩に変化すると発ガン性物質の生成に関与するという説が一部あります。しかしこのメカニズムは複雑で、まだはっきりとは解明されていません。世界の各国で研究がすすめられているのが現状で、FAO/WHO合同食品添加物専門家会では、硝酸塩と発ガンリスクに関連があるという結論には至っていません。

青汁の摂取と硝酸態窒素

では一体、硝酸態窒素を含む野菜を原料にした青汁の摂取はどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

上にも書きましたが、大人が普通に摂取する分には特に問題があるとは考えられていません。硝酸塩は食品衛生法に基づいて、食品添加物として使用が認められています。使用できる食品はチーズ、清酒、食肉加工品、鯨肉ベーコンなどです。
しかし特に乳児には与えないように注意が必要です。

青汁を毎日飲む方は原料の産地、栽培方法、価格等を比較し、信頼できるメーカーの商品を選ぶようにしましょう。青汁に使う野菜は旬のものがおすすめです。ハウス栽培の野菜は露地栽培に比べ、使用する化学肥料の量も多いといわれています。有機栽培された野菜を原料に使用している青汁もおすすめです。

硝酸塩は野菜を水洗いすると減少すると考えられています。青汁を家庭で作る時は、よく水洗いして使用すると良いでしょう。

硝酸塩の摂取に対する厚生労働省の考え方

平成12年の厚生労働省食品衛生調査会毒性・添加物合同部会での報告書には次のようなことが書かれています。

硝酸塩は元々野菜に含まれている天然の硝酸塩に起因するものがほとんどである。食品としての野菜の有用性、食経験、知識から考えると現時点で問題があるとはいえない。

野菜を摂るメリットを考えると現時点では野菜に含まれる硝酸塩は特に問題であるとはいえない、ただし乳児に葉物野菜は与えないように注意するということです。

まとめ

・野菜の化学肥料に窒素、リン、カリウムが三大栄養素として使用される

・このうちの窒素は土壌で硝酸態窒素として存在する

・土壌に浸透した硝酸態窒素は、硝酸塩などの形で葉物野菜が取り込み蓄積する

・青汁の原料の葉物野菜に含まれる硝酸塩は大人が普通に摂取する分には問題がないが 3ヶ月未満の乳児には与えない

・3ヶ月未満の乳児は胃酸が弱いため、硝酸態窒素を含んだ井戸水や葉物野菜を摂取するとメトヘモグロビン血症を発症し、酸欠状態になり深刻な事態に陥る可能性がある

・硝酸塩と発ガン性の関係は現時点ではまだ解明されていない

・硝酸塩は野菜を水洗いすると減少する

・青汁の野菜は露地栽培の旬のものがおすすめ

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